2026/7/4(土)~5(日)
メンバー:Hさん、JOHSON
ムサ沢は会津山岳会の傑作『すかり 南会津特集号』において、御神楽岳をめぐる沢の中で「一番面白く素晴らしかった」との記載があり、兼ねてより気になる沢であった。
この週末は久しぶりに天気予報がイイ感じなのにパートナーが捕まらず、行先に難儀していたが、経験豊富なHさんがムサ沢を計画していると聞き、同行させてもらった。
【7/4】
林道がしだにに入るところに駐車スペースがあり、入渓する。入渓してしばらくはゴーロを進む。連日の降雨で水量は多そうだ。時折雰囲気の良いゴルジュ状になるが、小一時間はゴーロを歩かなければならない。魚影がある、との記録を見たが、まったくイワナの姿はなく、竿は文字通り無用の長物になりそうだ。


深い釜を持つ3段15mの滝が出てくるとゴルジュランドが始まる。突っ張りや泳ぎを交えて小滝を越えていく。



崩れた雪渓を右から越えると側壁が立ってきて、切れ込みが深く顕著なゴルジュの入口となる8m滝が架かるが、これは水量が多く直登するのは厳しそうに見える。『すかり 南会津特集号』にも「水量が多いと登れないだろう」という記載があったことを思い出し、左岸から大きく巻く。ブッシュが出ているのでさほど問題は無い。高巻きの途中でゴルジュの出口に30m程度の大滝が見えたので、まとめて高巻くことにする。Hさんの見事な地形の読みで、落ち口のすぐ上に降りることができた。




水と戯れながら進み、落ち口が少し悪い15m滝はJOHSONリードで右壁のバンド上から巻く。ゴルジュに豪快にCSが挟まった15m滝は、少し戻って右岸の草付きを巻いた。1度Hさんが懸垂下降で沢に下りるが、その先の滝も一気に巻いてしまおうとの事だったので、ブッシュの高巻きを継続する。





高巻き中に幕場と目論んでいた約650m付近に雪渓が見えて2人で苦笑いするが、雪渓の先に適地があり胸を撫で下ろす。ツェルトを張り、のんびり焚き火にあたってウイスキーをちびる。


【7/5】
朝イチで豪快に水を落とす30m滝に出会う。左岸のバンドから上部に行けそうだが、念を押して右岸からブッシュを高巻く。想定より巻き上げられてしまったが、岩壁の下部に歩きやすいバンドが繋がっていた。高巻き中に下流を振り返ると、張家界にいるかにような景色が広がり、しばし目を奪われる。ブッシュ伝いに沢に復帰する。カジカガエルがぺったりと休んでいた。




泳ぎを交えながら進んでいくが、ちょこちょこ雪渓があり、滝の上に浮いた雪渓に乗らなければならず肝を冷やす場面もあった。750m辺りで悪い雪渓にぶち当たり、イヤらしい泥壁登りをこなして右岸のブッシュを高巻く。再度の大高巻きとなったが、高巻き中に沢が屈曲する部分に断続的に雪渓が続く様子が見えたので、そのまま高巻きを続け、830m地点の二俣の手前にかかる10mナメ滝の下に降り立った。この巻きに2時間かかってヘトヘトになった。




二俣は左を進む。ここまではゴルジュランドだったが、ここからはナメナメランドとなる。

最初は登れるナメ滝が続くが、等高線が詰まってくると小難しそうな滝が続き、その度に沢の横のブッシュを巻き気味に進むので割と疲れる。水は稜線直下20mまで続いており、最後はささやかな藪漕ぎをして登山道へ出た。Hさんは休んでいると言うので御神楽岳のピークを踏みに行く。





山頂直下から眺めたムサ沢は、ミカグラの懐を深く抉っていた。

蒸し暑い登山道を汗を滴らせながら室谷登山口まで下り、Hさんと握手して山行を終えた。
記録では水線突破されているパートも、雪渓や水量の多さで高巻きを選択せざるを得ないことが多く、少し時期が早かったのかもしれない。幾度のブッシュクライミングで体力を持っていかれたが、雪渓、泳ぎ、泥壁、草付き、大高巻きと雪国の沢の要素をフルコースで味わえる素晴らしい沢だった。また、夏に計画している飯豊の本流遡行の良い予行練習にもなった。またミカグラの沢に行きたい。

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