2026/3/15(日)
メンバー:Yurikamome、JOHSON
日本の「名クラシック」、谷川岳東尾根へ。
昨春、Yurikamomeはこのルートを「憧れのルート」だと言っていた。
冬が始まる頃、彼女と「3月に谷川岳東尾根をやろう」と約束した。1月に朝日岳東南稜と赤岳主稜、2月に涸沢岳西尾根~奥穂高岳、3月に旭岳東稜を一緒に登って、トレーニングを積んだ。
条例による入山禁止期間が懸念だったが、今年は16日の月曜日からということになり、何とかギリギリ持ちこたえてくれた。
昭和の大登攀時代の谷川岳の冬期登攀の記録を読んだ者であれば、「一ノ倉」の3文字が息の詰まるような陰鬱な雰囲気を纏っていることは、なんとなく理解できるだろう。何より、大事なザイルパートナーの憧れのルートなんて僕も気合いが入る。入山前日はいつになく緊張して、車で何度もため息を付いていたら、Yurikamomeにツッコミを入れられた。
谷川岳ベースプラザの駐車場を3時に出発。一ノ倉沢まで林道を黙々と行く。
一ノ倉沢に入ると、徐々に空が明るみ、一ノ倉の壁がうっすらと浮かび上がってくる。ゾクリとする。とうとう、「イチノクラ」に足を踏み入れてしまったのだ。

本流からは離れて一ノ沢に入る。積雪は安定している。アイゼンがよく刺さる。徐々に立ってきて、ラッセルも出てくるので2人で先頭を回す。ときおりヒドゥンクラックがあり注意を要する。シンセンのコルに上がると5人パーティーに抜かされた。周りの山はガスで見えない。


シンセンのコルから少し行くと第2岩峰になる。「リードしてほしい」とYurikamomeに言われたので、ロープを出して僕のリードで草付きを登る。支点はプアな灌木しかないが、足があるのでどうってことはない。
急な雪稜をコンテでせっせと登っていく。薄いガスの向こうに雪稜が伸びている。やがて記録でよく見るフォトジェニックなリッジトラバースに出る。雪の状態も良いのでそのままコンテで処理することにした。晴れていれば物凄い高度感だろうが、視界が乏しいのであまり実感はない。


リッジトラバースを抜けて、再び急な雪稜を登ると、第1岩峰の取り付きに出る。直登できそうではあったが、あまりそそられず、右の急な雪壁を念の為ロープを出して巻く。ここを越えるとあとは緩い雪壁をグイグイ登るだけなので、ロープを解除して登る。頂上直下の雪庇は、「ここを登ってください」と言わんばかりのスロープが伸びていて、辿って労せず稜線に出た。というかそこがオキの耳の山頂だった。




思ったよりアッサリ終わってしまい、Yurikamomeは実感の無さそうな表情をしている。雪で埋まった道標と記念写真を撮って、下山する。天神尾根を下っていると天気が回復していく。憧れのルートをやり切ったYurikamomeの足取りはなんだか弾んでいるように見えた。

思ったよりも順調に登れてしまった。しかしながら、余裕を持って登れるくらいが良いのだと思う。ちょっとばかりは僕たちも成長したのだと思いたい。
来年もまた、どこか目標の雪稜を見つけて、一緒に登りに行きたいと思っている。


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