会越 只見川 霧来沢大石田沢ブナ平沢右ルンゼ~左俣

山行記録

2026/9/19(土)
メンバー:Kさん、ふじぽいさん、Oさん、JOHSON

今年のシルバーウィークは飯豊の前川御鏡沢を単独で遡行する計画を立てていた。しかし、心のどこかでその深い懐へ踏み込む覚悟がどうしても持てなかった。結局、持病の喘息が嫌〜な気配を纏っており、飯豊のハードな空間に身を置けば、一瞬で発作になっていただろう。結果論だが、飯豊の沢に入らなかったのは、身体のコンディション的にも正解だったといえる。

失われた空白を埋めるように、所属する会津山岳会の日帰り山行に急遽飛び込んだ。同じ日程で会津山岳会の集中山行が湯檜曽川で行われる予定であったが、こちらは台風の接近で中止となっていた。集中山行の代わりとして、会長のKさんが率いる日帰り山行に、ありがたく混ぜてもらう。

峰越林道の奥深く、ギリギリまで車を走らせて足を踏み入れた大石田沢は、初めから美しい。渓相良く、すぐに現れるゴルジュは左岸から巻く。ゴルジュストロングスタイルを標榜する新入会員のOさんが果敢に突破を試みるが、結局引き返してきた。

入渓
ゴルジュ

6m滝は念の為ロープを出し、JOHSONがリードして肩絡みで後続を上げる。ナメ床が途切れては現れる澱みのない流れをたどり、左岸の支流へと足を踏み入れた。
会津山岳会のローカルネームが息づく「ブナ平沢」である。

癒しの流れ
のんびり進む
いい天気!
歩きやすい

少し登った瞬間、思わず息を呑んだ。これは凄い。 ナメ、ナメ、ナメ、ナメ、ナメ。あまりにも綺麗すぎる。良すぎる。

素晴らしい!
ナメ、ナメ、ナメ!

歓声を上げながらナメ滝をペタペタと登り、ゴルジュ状をブッシュに体を預けながら巻いたその先には、再びどこまでも続くナメ、ナメ、ナメの回廊。傾斜が緩み、周囲に静かなブナの台地が広がり始めると、いよいよ「ブナ平」の由来の理由が腑に落ちる。

ちょっとしたゴルジュ
再びのナメ

心地よいブナ林を突っ切って左俣へ抜け、15mの滝を一度の懸垂下降で下れば、そこにもまた、息をのむほどのナメの回廊が広がっていた。リピートは確実だ。次は晩秋の気配が満ちる頃、今度は左俣を登りに来よう。

左俣もナメ
懸垂1発

左岸のブッシュを頼りに下り、再び大石田沢の出合へ。のんびりと穏やかな流れを下降した。

デカいサワグルミ

こうした小さな、けれど宝石のような発見に出会えることこそ、地元山岳会のみに許された特権なのだろう。首都圏からぽつんとやってきて、大石田沢のさらにその支流へフラリと足を踏み入れる物好きなどそうそういない。地元の山を愛し、そのすべてを網羅しようとする地元山岳会の底力と強みを、まざまざと見せつけられた気がした。

御歳70を迎える会長のKさんは、飯豊連峰の登攀史にその名を刻む生きたレジェンドだ。しかし、その身のこなしはどう見ても古希のそれではない。飯豊の沢と雪山を誰よりも知り尽くし、通い詰めてきた男の言葉には圧倒的な重みがあり、その知見の深さに学ばされるばかりだった。いつか僕も、こんな風に歳を重ねたいと心から思う。

飯豊への覚悟が足りず、行き場のない挫折感に沈みかけていた連休の初め。 けれど、思いがけず出会った名もなき美渓と、そこにある温かな繋がりが、僕のシルバーウィークをかけがえのない一日に塗り替えてくれた。

山行記録: 会越 只見川 霧来沢大石田沢ブナ平沢右ルンゼ~左俣
2026年09月19日(日帰り) 東北, 沢登り / kmmrno1kamiの山行記録

コメント

タイトルとURLをコピーしました