浅草岳 只見川 只見沢肩ノ沢右俣

山行記録

2026/8/10(月)
メンバー:JOHSON

浅草岳の南、鬼ヶ面山東面に聳える峻険な岩峰群は、穏やかな南会津にありながら威圧的な雰囲気を放っている。豪雪で磨かれたルンゼや急峻なリッジは偏屈な地域研究家の登攀意欲を唆り、ひっそりと数々のラインに活路が見出されてきた。
僕も登山大系2番を愛するクライマーの端くれとして、やはりオニガツラの岩壁には興味をそそられる。自称「現代で最もオニガツラに詳しい山ヤ」ことゴリラ(生息地:要害山)は、肩ノ沢右俣について「初めに遡行したい」「オニガツラの概念を把握するのに最も適している」と評している。今年のお盆は天候が不安定で、2泊3日の単独奥利根行きを中止にしたこともあり、あまりやる気が出ない。日帰りでオニガツラ探訪に行くことにした。

実は2日前にム沢に行こうとしたのだが、出発直前に土砂降りのスコールに遭い、濁流と化した只見沢に怖気付いて引き返している。今日は只見沢に入渓すると、一昨日とは打って変わって平水で穏やかだ。メジロアブのささやかな歓迎を受けるが、気になるほどではない。只見沢の下部もグリーンタフのナメがあったり、ちょっとしたゴルジュがあったりで割と見どころがある。落ち口にCSが挟まった12m程度の「カオス返しの滝」を倒木が詰まったルンゼから巻くと、マンモス台地に出る。眼前にオニガツラが飛び込んできた。思わず雄叫びをあげる。壮観だ。

平水の幽ノ倉沢出合
グリーンタフの石ころ
渓相良し
カオス返しの滝
マンモス台地

マンモス尾根の迫力は凄まじい。豪雪に塗れたマンモスはいつか討伐しなければならない。マンモスの顔に縦に一文字に刻まれた刀傷のようなγルンゼはやはり気になる存在だ。オニガツラのルートを観察しながらゴーロを進み、三俣を右に入る。身の回りを飛び交っていたメジロアブはいつの間にか姿を消している。眼前に黒々とした岩壁が現れ、沢が左に屈曲するとドーム滝10mが架り、これを右岸に入る顕著なルンゼから高巻く。程なくして二俣となり、ム沢を見送って左の肩ノ沢に入る。

マンモス尾根
小滝を越える
奥壁を見ながら歩く
三俣
雪渓に苦労しない
横からマンモス尾根
ドーム滝

肩ノ沢に入ると左俣の奥壁尖峰群がひときわ際立つ。1150m付近で伏流し、再びチョロチョロと水が現れたと思うと、側壁が立ってきてCSの小滝が連続する。CS帯出口の6m滝のみ少し悪く、右壁をブッシュを使いつつ空荷で登り、フローティングロープで荷揚げした。

奥壁尖峰群
右俣のガレ沢
カッコいい
CS帯スタート
CS連続
膝を捻じこんで越える
CS帯内部を見下ろす
右壁を空荷で登る

CS帯を抜けると20m程度の涸れたナメ滝を容易に登る。上部はⅢ級を超えない涸棚が連続する。軽快に登れるが、水が涸れているので如何せん暑い。暑さにへばりながら登りきり、稜線直下の岩壁を左から少しの藪漕ぎで巻くと前岳直下の登山道に出た。エゾオヤマリンドウが咲いており、秋の足音が聞こえる。

涸れたナメ
涸棚をいくつか登る
容易だが暑い
見下ろす
稜線直下の岩壁
前岳から浅草岳
エゾオヤマリンドウとマルハナバチ

アキアカネが乱れ飛ぶ穏やかな道を歩いて浅草岳の山頂を踏み、只見尾根から下山する。暑すぎる。ちまちまと下り、ブナ林に入ると気温が下がって少しマシになった。チタケとタマゴタケを摘みながら下るが、収穫は乏しかった。

山頂
裏の沢も登りたい
チタケ

登山大系や記録を読み込むことにより、イメージとしてはぼんやりと掴めていたが、実際に足を運ぶことによりオニガツラの概念を具体的に把握することができた。ニードルルンゼ、角ルンゼ、マンモス尾根…登りたいルートはたくさんある。ひとまず次はム沢の宿題を回収しよう。

山行記録: 浅草岳 只見川 只見沢肩ノ沢右俣
2026年08月10日(日帰り) 東北, 沢登り / kmmrno1kamiの山行記録

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